新生銀行、あおぞら銀行“崖っぷち”! リテール業務、公的資金返済も難航
2008年11月28日 15:08
1998年の金融危機で破綻(はたん)し、一時国有化されて10年目を迎えた新生銀行(旧日本長期信用銀行)とあおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)の経営が“崖(がけ)っぷち”にある。両行は、海外向け投融資で多額損失を計上したことなどが響き、2008年9月中間連結決算で最終損益が赤字に転落した。リテール(個人向け)業務の強化に懸命だがメガバンクとの顧客争奪戦は激しく、国から注入された公的資金の返済も難航している。
新生銀は9月中間連結決算で、破綻した米証券大手リーマン・ブラザーズ関連の融資や欧州向けの投資で損失が膨らみ、192億円の最終赤字(前年同期は231億円の黒字)に陥った。「リスク管理に問題があったのは事実だ」。新生銀の八城政基会長は、兼務での社長復帰を発表した決算会見で、同行のリスク管理の甘さが業績悪化につながったことを率直に認めた。八城氏は旧長銀が新生銀として再スタートした00年に社長兼会長に就任し、06年6月に会長を退くまで6年間トップを務めた。今年6月に会長に復帰していたが、業績不振でティエリー・ポルテ社長が引責辞任したのに伴い、社長に返り咲く異例の事態になった。
あおぞら銀も、9月中間連結決算の最終損益が280億円の赤字(前年同期は427億円の黒字)とさえない。米ゼネラル・モーターズ(GM)の関連金融会社GMACへの投資などで損失が拡大した。09年3月期でも、大手行では唯一の270億円の最終赤字を予想する。
公的資金注入行は、金融庁に提出した経営健全化計画の利益目標を実際の業績が3割以上、下回ると行政処分の対象になる。あおぞら銀は08年3月期の業績がこの「3割ルール」に抵触し、7月に金融庁から業務改善命令を受けた。09年3月期も予想通り最終赤字ならば、2年連続で処分対象になり、制度上は経営責任を問われる。フェデリコ・サカサ社長も、「まだ計画の未達成が決まったわけではない」としながらも、退任の可能性を示唆している。
新生銀は04年に、企業への長期資金の融資を主体とする長期信用銀行から普通銀行に転換し、東京証券取引所1部に再上場した。同じ長信銀だったあおぞら銀も06年、普銀転換と再上場を果たした。現在の筆頭株主はいずれも米投資ファンドで、新生銀がJCフラワーズ、あおぞら銀がサーベラスだ。
両行は普銀転換後、リテール業務強化を図っているものの、公的資金を完済したメガも攻勢を強め、店舗網などで見劣りする両行は太刀打ちできないのが実情だ。このため、高収益を狙い海外向け投融資の拡充に傾いたが、金融危機の影響で損失が一気に膨らむことになった。
新生銀は傘下に中堅消費者金融のシンキを抱え、今年9月には米ゼネラル・エレクトリック(GE)が「レイク」の名称で営業する日本の消費者金融子会社GEコンシューマー・ファイナンスを買収した。同行は消費者金融事業を収益源とする成長シナリオを描いており、09年3月期連結決算でも300億円の収益の押し上げ効果を見込む。だが06年末に成立した改正貸金業法で上限金利の引き下げが決まり、消費者金融の市場規模が縮小している中で、どこまで業績を伸ばせるかは不透明だ。
あおぞら銀も昨年11月に住友信託銀行と包括的な業務提携契約を結び、不動産関連や富裕層ビジネスの強化を目指している。しかし、提携の“立役者”だった能見公一会長がサーベラスと経営方針をめぐって対立し、今年5月に退任したこともあり、提携は目立った進展をみせていない。
公的資金もなお重くのしかかる。新生銀の残高は2168億円、あおぞら銀は1794億円で、国が目標額を回収するには株価が新生銀で700円台、あおぞら銀で400円台に達していることが必要だが、遠く及ばない。
両行に対しては、「単独での生き残りは難しい」との見方も強い。八城氏も「(合併などの)可能性を否定するのは間違い」と意欲をみせる。ただ、金融危機下でパートナー探しも容易ではなく、前途は多難といわざるを得ない。
<フジサンケイビジネスアイ>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081127-00000000-fsi-bus_all
世界の金融危機はアメリカだけにとどまらず、日本の金融機関にも波及している。メガバンクは合併・再編を乗り越え、ようやく立ち直りかけてきたところに、アメリカ発の金融危機である。新生銀行、あおぞら銀行は前途多難である。
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